開帳足 足の横アーチが崩れる

「お気に入りの靴がキツくなった」「足幅が広くなったかな」「足指が開いているようだ」
そんなことを気にしたことありませんか?
足サイズは体重の増減や浮腫みで大きくなることはありますが、その他にも開帳足(かいちょうそく)の可能性があります。
開帳足は女性に多い疾患で、足の指先の方が扇状に広がってペッタンコになっている状態です。

もしかして開帳足 診断/チェック方法

2人1組で簡単なテストをします。

  • 平らなところで、足を肩幅に開いて直立します。視線は真っすぐ前方を向いて。
  • 足指の下に紙を差し込めるか試してもらいます。
  • 母趾から小趾まで(足指の親指から小指まで)全てチェックしてもらいます。

このテストで足指の下に紙を差し込めることができたら、開帳足の可能性があります。
足の横アーチが崩れることで中足骨が下がり、足裏を支えるはずの指が浮いている状態です。

正常な足の横アーチ
横アーチが崩れた開帳足のアーチ

踵、第1中足骨、第5中足骨、そして足指で支える理想的な重心の位置が、横アーチが崩れた
開帳足になると、踵と第2~4中足骨だけで体を支えなければならないのです。

足裏のタコ 開帳足では?

上の正しい重心と開帳足の重心を比べてください。
横アーチのおかげで第2~4中足骨は浮き上がっていましたが、開帳足になると第2~4中足骨が下がってきます。そのため、体重を踵と第2~4中足骨のみで支えるようになります。
第2~4足中骨部分にタコがウオノメができるのはこのためです。(足裏第2~4趾の下)
また、足先が扇状に広がるため第5趾が靴に当たってタコやウオノメができるそうです。(小指外側)

正常な重心と開帳足の重心

正常な足の骨

 開帳足になった崩れて足の重心

足の横アーチが崩れる

足裏は体の表面積のわずか2%にすぎません。そのわずか2%のさらに踵、第1、第5中足骨、足指だけで全体重を支えられるのには訳があります。
・踵から第1中足骨の縦内側アーチ
・踵から第5中足骨の縦外側アーチ
・第1中足骨から第5中足骨の横アーチ
の3つのアーチを土台にしています。
アーチと呼ばれるだけあって、力学的効果は絶大で圧縮力にとても強いためこのわずかな支点のみで体重を支えることができるのです。
その建物で例えるなら基礎が崩れてしまったらどうでしょうか。

理想的な3本の足のアーチ
崩れてしまった足アーチは様々な問題が生まれる

まず、横アーチが崩れると中足骨が下がり、足骨全体のバランスが崩れます。足首が不安定になり、身体のバランスをとるためにふくらはぎから太ももの筋肉、そして腰から背筋までほぼ全身の筋肉を緊張させてバランスを維持するのです。
すると足の筋肉は太くなり、緊張が続く筋肉は代謝できずに冷えや浮腫みなどの足トラブルを増幅させます。腰や背筋の緊張のために頭痛や肩こりも起こりやすくなるのです。
実はとっても日本人に多いこの『開帳足』。気付いていないだけで、頭痛や肩こり、脚の太さや浮腫み・冷え性などで悩んでいる方はこの開帳足かもしれません。

開帳足 原因

  • 合わない靴を履いている
  • 運動不足や加齢による筋力の低下
  • 長時間の立ち仕事や急激な運動によって足への負荷が増えた時
  • 体重の増加
などが開帳足の原因となります。
開帳足は主に足に合わない靴を履いているが原因だといわれています。特にヒールの高い靴を履いていると、ヒールが不安定なので足先部分でバランスをとろうと踏ん張ります。それが横アーチ部分に常に負担がかかり疲労していきます。
また、足の形によってはミュールやポインテッドトゥ(先が細いパンプスなど)、靴巾が広すぎる靴やオーバーサイズの靴も開帳足の原因となります。

子供の開帳足

『すぐに大きくなるから』と大き目の靴を買っていませんか?
《子どもの靴の正しい選び方は⇒コチラを参考にしてください。》

女性の開帳足

おしゃれのため『足の形に合わない靴』を無理してはいていませんか?
もともとハイヒールやミュールは室内で使用されていた装飾品です。どうしても履かなければいけないシーンでは、そのシーン限定だけ履くという習慣がとても大切です。
その昔ハイヒールを履き始めた貴族も、現代のハリウッドセレブもハイヒール履いて徒歩で通勤しているわけではありません。

開帳足を放置すると 症状

開帳足は実はそれ単体で診断されることが稀です。横アーチが崩れ、開帳足になっているときには縦アーチも崩壊して『偏平足』になっていたり、『中足骨骨頭痛』『モルトン病』といった中足骨が下がったために足底や神経圧迫による痛みの症状が出ていたりします。
また開帳足を放置すると浮指、外反母趾、巻き爪といった足のトラブル全てに発展する原因となります。

開帳足を矯正する トレーニング

テーピング・包帯で矯正

広がってしまったアーチを補正してあげるように、足のMP関節部分を幅3㎝ほどのテーピングで3~4巻きます。

タオルギャザー

  1. 椅子に浅く腰掛けます。
  2. 床に広げたタオルの端に足をのせます。
  3. .踵を床から動かさずに、足指を使ってタオルをたぐり寄せます。
  4. 目標は20回。足底の筋肉がジーンと疲労感を感じるのが適度。
    足底の筋肉とふくらはぎの筋肉を総合的に使うので、身体がポカポカしてきます

足指のストレッチ

足と手あくしゅ
  1. 片足を反対の脚の太ももに乗せます。
  2. 足と反対の手で指と指を交差させながら握手をします。(痛みがあるときは無理をせずに)
  3. 足の甲側へ押します。(10秒キープ)
  4. 足の底側へ倒します。(10秒キープ)
  5. 3と4を3セットずつ。1日に2~3回。

足の甲と足の裏にある筋肉・腱をそれぞれ伸ばして伸縮力をつけます。

開帳足 靴選び

・ひも靴を履く
足のMP関節部分をキュッと圧迫できる紐靴がサポーターやテーピングのように矯正効果を発揮します。母趾と小趾が圧迫され、第2~3趾が浮き上がるイメージで。

開帳足におすすめパッド

平らになってしまった中足骨アーチを自然の位置にサポートするため、靴のインソールに張り付けるものや足裏に直接貼るタイプのものがあります。
パッドは靴サイズを選ばないため、手軽に使えます。

開帳足まとめ

開帳足、あまり知られていないその名に反して足トラブルの引き金となる存在だということがわかりました。『すぐ大きくなるから』と、大き目サイズの靴を買ったことありませんか。
こどもだからと、安心してもいられません。それだけの理由で急激に悪くなることはなくても、運動が足りないとか体重が増えたなどの要素が重なるとさらなる足トラブルの引き金となります。

3つのアーチがなければ人間も2足歩行できませんでした。開帳足の段階ではなかなか危機感をもちにくいとは思いますが、あらためてアーチの大切さを知って健康な足を守ってほしいと思います。

コメントを残す

コメントは表示される前に承認される必要があります。