『足のつり』は繰り返さない

「足がつって目が覚めた!」 こんな経験ありませんか?私の場合、普段それほどでもないのに妊娠中に足が頻繁につりました。 足がつって目が覚めて、布団の中で七転八倒。足の指を揉んでみたり、ストレッチしてもなかなか収まらない痙攣。 「痛み」で目覚めるって本当に悪夢ですよね。 このいわゆるこむら返りは、60代になるとおおむね経験済みになり、そのうち約6%の方はほぼ毎晩起こるといわれています。 想像しただけで、眠るのが怖くなりますね。 今回はそんな『足のつり』について原因や改善方法をお伝えします。

足がつったその瞬間にできること

睡眠中に多い『足のつり』は、まず深呼吸から

こむら返り対処(1つま先を手前に引き寄せる

指でつま先をつかんで手前に引き寄せる

こむら返り対処(2タオルを使ってつま先を手前に引き寄せる

タオルを使ってつま先を手間に引き寄せる

    • つった側の足指を手で掴み、足指を自分の体の方向にに息を細く吐き出しながら20秒かけてゆっくり倒してふくらはぎを伸ばします (ふくらはぎの腓腹筋をストレッチ)
    • つった側の足の親指を手を使って大きくマッサージしていきます。親指のつけ根、MP関節を意識してぐるぐる回します。(ふくらはぎにつながる筋肉があります。)
足指はMP関節を支点にダイナミックに回す

MP関節は思っているよりずっと深いところにある

  • ふくらはぎの筋肉を柔らかくほぐすマッサージや血行を促します。 ・ふくらはぎを上下にやさしくさする ・足首を回す ・立ち上がれるようなら、アキレス腱をのばす
  • ふくらはぎを温める

「つらない足」の作り方

<足元を冷やさない工夫>

筋肉が冷えて硬くなってしまうと、筋肉はずっと緊張状態にあります。 それがちょっとした動きで筋肉を痙攣させてしまうきっかけになってしまうのです。 レギンス、レッグウォーマー、靴下、長ズボンを使って ふくらはぎを十分温めて筋肉をリラックスさせてあげましょう

<水分補給>

水分バランスを調節しにくい就寝時に足がつりやすいのです。 お休み前や目覚めの水分補給を忘れずに。脱水状態にならないことが大切です。

イオンバランスを整える自宅で簡単レモン水
自宅にあるもので簡単レモン水

<<用意するもの>>
水1L ・塩 小さじ1/2・ハチミツ 大さじ1 ・レモン お好みで
材料をよく混ぜて出来上がりです

お水と梅干

補水するタイミングで梅干を一緒に食べるのもおすすめします。 梅干には「クエン酸」という酸味がたくさん含まれています。「クエン酸」には疲労回復効果や抗菌作用があります。 疲労の原因である『乳酸』をクエン酸が分解するため、筋肉痛を和らげる効果もありふくらはぎの筋肉にいいことずくめです。 また、ミネラルバランスに優れているため、水分と一緒に摂取することで身体へ水分を効率よく吸収させる働きがあります。 最近の厚い夏の間、熱中症予防にもとても効果的なのでお試しください。

スポーツドリンク

市販のスポーツドリンクは糖分が多いので、スポーツドリンクは水で2倍に薄めて飲みましょう。 また、経口補水液と知られる「OS-1」は、脱水症状の時に効果的です。ただし1日にボトルにして2本が摂取目安となっています。

適度な運動

スクワット

  1. 両足を肩幅に広げ、両手を水平に前に伸ばします。鼻から息を吸いながら、足の踵が浮かないようにゆっくりと膝を曲げます。
  2. 身体が前に倒れないように両手は水平をキープします。曲げる時は足のかかとが浮かないギリギリまで頑張ります。
  3. 呼吸を止めないように気をつけて。吸いきったら、鼻から息を吐きながら立ち上がります。

あまり力まずに、呼吸に合わせながらリラックスして30回繰り返します。 身体がポカポカして、血流もよくなるうえに脚の筋肉と腹筋を同時に鍛えられる優れエクササイズです。

つま先立ち運動

1時間に1回つま先立ち運動がおすすめ。

つま先立ち運動:初級編

肩幅に足を開いて立ち、3段階で踵を上げていきます。(姿勢に気をつけて)注:腹筋でお腹を引き締め、前傾姿勢にならないように指先は両脇の縫い目に添わせる。 3段目の高さでキープ、鼻呼吸で3回深呼吸をします。 3段階で踵を下ろします。 –これで1セット–

1時間おきに1回5セット繰り返します


つま先立ち運動:上級編

両足の踵をつけて、足先は外側(逆ハの字)になるように立ちます。両足で10本の足の指でしっかりり地面を掴むイメージでかかとを上げていきます。 両足の踵(カカト)はつけたまま上げます。お尻が出たり、前傾姿勢にならないように 最初は壁で支えながら始めましょう。いっぱいまで上げた後はゆっくりと踵(カカト)を 床におろします。 –これで1セット– 最低1時間に10セット。時間も場所も取りません。気づいた時にこまめに繰り返します。 ふくらはぎだけでなく、足裏の筋肉・腹筋や骨盤周りの筋肉も鍛えます。

ウォーキング

激しい運動よりも、毎日適度に続けられる運動がおすすめです。

マッサージ

入浴 血行が良くなる入浴中に一日のあしの疲れを解消するマッサージ 片膝を立て、手でアキレス腱から膝に向かって優しく圧迫していきます。 強く圧を掛けずに、優しく下から上へ。

靴を考える

ハイヒールなど、ふくらはぎを常に緊張状態にさせる靴を避けましょう。 足首が良く動き、踵とつま先の高低差がないタイプの靴がおすすめです。

毎日の食生活から「足がつる」を予防する

足がつる原因の1つ、『体内のミネラル不足』は日ごろの食生活を意識することで改善できます。

マグネシウム

マグネシウムは体内酵素の働きを助けて、体温調節や神経・筋肉の働きをたすけるための栄養素です。 マグネシクムが不足すると、力が入って収縮した筋肉を伸ばす(弛緩)ことができなくなります。 常に筋肉が緊張状態になってしまうのです。 マグネシウムは体外に排出されやすい栄養素なので、積極的に食べて筋肉をリラックスさせましょう!

マグネシウムを多く含む食材
大豆、納豆、ひじき、わかめ、玄米、アーモンド、カシューナッツ
カリウム

カリウムは神経・筋肉の興奮伝導にかかわっていて、カリウム不足で運動中に足がつったり、筋肉の痙攣をおこしたり、筋力低下の原因になります。

ナトリウムを体外へ排出する際、カリウムがナトリウムとくっついて排出します。ですから、発汗などの多い厚い時期は特にカリウムが体内に不足しがちになるのです。

カリウムを豊富に含む食材
コンブ、ヒジキ、サツマイモ、里芋、大豆、インゲン、柿、スイカ、

大抵カリウムは体外に排出されるため、過剰摂取のリスクはありませんが
腎臓に障害がある場合は、医師からカリウムの摂取量を制限される場合があります。

 

ビタミンB群・タウリン

筋肉を意思で自在に動かすため、脳から筋肉に神経伝達物質が送られます。この神経伝達物質を運ぶのが「ビタミンB群」です。
不足すると、神経過敏になり疲れがたまります。

ビタミンB1
豚肉、豆類、牛乳、卵

魚介類は筋肉疲労に効果があるアミノ酸タウリンが豊富です。高タンパク低脂肪で筋肉を作ります。

タウリン
イカ・タコ・魚・貝類(スープで効率よく吸収できる)

 

受診・処方

 整形外科を受診した場合、一般的に筋弛緩薬が処方されるそうです。他にも漢方薬で芍薬甘草湯という薬があり、即効性もあるようです。

服用の際は必ず、医師や薬剤師に相談してください。

 

すべて解明されたわけではない:足がつるメカニズム

実は足がつる原因の全てが解明されてはいません。

  • 夜就寝中に足がつる場合、筋肉疲労によるものが多いといわれています。 日常生活の疲労が蓄積されて足がつります。普段しないことをした時に足がつることがあります。
  • 加齢して筋肉量が減ると、足の血流が低下して栄養分もうまく運ばれません。 60代以降に足がつる症状が増えるのは、この筋肉量の減少による影響を見逃せません。
  • 普段から筋肉(特にふくらはぎ・太もも)が緊張状態にある人。 パンパンに張って、触ると冷たい という状態です。
  • プールや海・川で遊んだ時など、筋肉の冷えによって血行不良となり、筋肉を収縮させるために足がつります。
  • 部活中に足がつったなどの経験者も多いはず。 実は足の筋肉を傷めたというより、脱水症状や熱中症によるものが多く報告されています。 気温が高くいつもより多く発汗した時や、下痢などによる脱水症状で電解質のバランスが崩れ、神経や筋肉が興奮して足がつる原因に。
  • その他病気が原因で足がつることもあります。 腰椎疾患、腎不全、肝硬変、糖尿病、甲状腺機能亢進症など内疾患がある場合。妊娠中にも起こります。

しばらく症状が続く場合は 整形外科、神経内科、内分泌科を受診することで隠れた病気がわかり、治療とともに足のつりも緩和されます。

足がつる まとめ

足のつり、経験された方ならわかると思います。もう、二度とごめんです。普段のちょっとした脚やふくらはぎへの配慮で筋肉の痙攣が防げたり、軽減できることがわかりますね。

こむら返りに限らず、足トラブルへの対処として大切なポイントが見えてきます。それは、

*足をあたためること(筋肉をリラックスさせる)

*栄養・水分・ミネラルの調和

*運動と靴選び

基本ですね。

こむら返りが頻発すると、連夜眠れないほど苦しまれる方もいます。対処法で少しでも楽になっていただきたい。

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