『第2の心臓』ふくらはぎを徹底ケアする

『第2の心臓』とも呼ばれる、ふくらはぎ。命に係わるような呼び名ですが、通常は脚の一部としか意識していません。ふくらはぎがだるい。ふくらはぎがつる。といったなんらかの症状があるとき、『第2の心臓』に異変があると感じる人がどれくらいいるでしょうか。心臓に気を配る一方、第2の心臓にはそれほどの関心がないのが実際のところでしょう。第2の心臓としてのふくらはぎのケアにこだわってしなやかなふくらはぎとからだの健康を目指したいと思います。

ふくらはぎの働き

『ふくらはぎは第2の心臓』ということは皆さんご存じのことだと思います。ふくらはぎの筋肉は下半身に集まった血液を上半身に循環させる役割を果たしているためにそう呼ばれます。座位・立位の状態で体全体の70%の血液が下半身に集まります。心臓のポンプ機能だけではこの血液を再び心臓に送り返すことは困難なのです。

ふくらはぎの運動不足が引き起こす問題は

日常的に運動をしない人、通勤・通学などで7000歩以上歩かない人はまず血液循環の働きが半減します。酸素・栄養が行き渡らず血管内には血栓が生じて心不全・心臓発作などの原因となります。また、血管からしみ出した組織間液を再び血管に取り入れることができず浮腫みとなって足の疲れ、痛みにもつながります。

ふくらはぎのだるさが気になる

足の疲労には歩きすぎ・立ちっぱなし以外の原因もあります。
血行不良が原因で足にだるさを感じるのは下肢静脈瘤の可能性も。下肢静脈瘤は逆流防止機能を担う静脈弁がうまく働かなくなる、筋肉の作用が働かず血流が滞ったり逆流、蛇行したりしてしまう病気です。下肢静脈瘤は長時間の立ち仕事をする方に多くみられます。

ふくらはぎの柔軟性はヤンキー座りでチェック

ふくらはぎの柔軟性はヤンキー座りでチェックできます

そうです!通称ヤンキー座りをしてください。
足裏を床についた状態で(カカトはあげずに)しゃがむことができますか?この動作ができるか、できないかで股関節、足首、ふくらはぎ筋肉の柔軟性を確認できます。

ふくらはぎの筋肉が硬い人は、踵が上がってしまうか、床に尻もちをついてしまうでしょう。
筋肉が硬くなると、収縮と弛緩といった伸び縮みする働きが落ちるので血液を循環させるためのポンプ機能が果たせません。また、硬くなった筋肉は筋肉そのものが浮腫んで脚が太くなっていきます。

見るだけでわかる!ふくらはぎ筋肉の緊張

ふくらはぎの筋肉緊張は体育座りだけでチェックできます
  1. 体育座り(床に腰を下ろし、膝を立てた状態)で脛を確認します
  2. 脛の外側の筋肉(前脛骨筋・ぜんけいこつきん)が緩んでいれば脛の骨シルエットが確認できます。⇒緊張なし
  3. 脛の外側の筋肉(前脛骨筋・ぜんけいこつきん)が緊張していると、筋肉が張って脛の骨のシルエットは確認できない⇒緊張あり
このシルエットチェックで前脛骨筋が張っているということは、下腿三頭筋(腓腹筋&ヒラメ筋)もセットで緊張しています

腓腹筋・ヒラメ筋が緊張している状態が続くと、血管が圧迫されて浮腫みの原因となります。また、筋肉の理想は緊張と弛緩を繰り返すことで強度があがります。ですから緊張しっぱなしは、筋肉にとっていい状態とは言えません。運動や立つ・歩くなどの動作の後は必ず筋肉を緩めましょう。

では柔軟性を失ったふくらはぎの筋肉をセルフケアする方法です。

自分でできるふくらはぎストレッチ

つまずき、歩きづらさ、転倒予防にも役立つストレッチは、ふくらはぎを柔らかくすることで動きやすさや痛みにアプローチします。

腓腹筋ストレッチ

  1. 壁の前に立ちます
  2. 左足を後ろに下げて、壁に手をつきます
  3. 体重を前に(壁に向かって)かけていきます
  4. 左ひざを伸ばした状態(ふくらはぎの上側が伸びていることを感じて)30秒キープ
  5. 同じ要領で右足を下げて伸ばしていきます。

ヒラメ筋ストレッチ

  1. 両足をつま先立てて正座をします
  2. 左足を前に出し、足裏をついて膝を立てます
  3. 左足の膝に軽く手を添えて胸で押すように体重を乗せていきます
  4. 左足の踵はしっかり床に着け、アキレス腱が伸びていることを感じて30秒キープ
  5. 反対の足も同様に(スポーツの後、就寝前に気持ち良い程のチカラで無理のないように)

ふくらはぎストレッチ

  1. 浅めに
  2. 片足を出す(つま先は上げたまま)
  3. 踵を押し出し、つま先を上げる(力を入れて3秒キープ)
  4. 力を抜く
  5. 両足3回繰り返す
  6. 最後に両足でバイバイして力を抜く

パンパンに張ったふくらはぎのマッサージ

外くるぶしの前側にあるツボを押して柔軟性のあるふくらはぎを手に入れる

結構痛みを感じる人もいると思います。時間をかけてゆっくりほぐしてくださいね

  1. 外くるぶしの前側のへこみで押さえると痛いところをしっかり指で圧を掛けます。
  2. 圧を掛けた状態で、足首を上に下に、左に右に動かし最後に全体を回します。
  3. 反対側の脚も同様に。

ふくらはぎの筋肉が柔らかくなっていることが実感できると思います。
運動後、就寝前にふくらはぎを一度緩めることを忘れずに。

どこでも簡単!ふくらはぎのツボ押し

足三里(あしさんり)
脚の筋肉の痛みや疲れを解消するツボです。場所:膝下外側にあるツボ。親指と他の4本の指でL字を作り、親指を膝頭の上にのせた時に中指の先の周辺でヘコミのあるところ。押すと痛いので判ります。押し方:息を吐くタイミングで10秒間圧を掛けます。親指、ペン先、反対側の足の踵など10回で1セット。

殷門穴(いんもんけつ)
足のむくみ、だるさ、疲れに効果的なツボ。坐骨神経痛やこむらがえり、背中や腰の痛みなどにもおすすめです。
場所:殷門は太もも裏の中央にあるツボ。
押し方:両手で太ももを包むようにして脚と反対の手の中指で押します。痛すぎない力で圧をかけます。床に座り、ゴルフボールなどをあてて刺激することもできます。

太もも裏の真ん中にあるツボ、殷門は足の疲れに効きます

太いふくらはぎ

女性に聞く「足の悩み」で上位にくるのはやはり「太いふくらはぎ」。スポーツをしていた人に多い筋肉質なふくらはぎは痩せにくいものです。
実はこれも『かたさ』がカギになっています。いかにこの筋肉をしなやかに柔らかくできるかが筋肉が多いふくらはぎの太さを攻略する方法になります。
ウォーキングや上記のふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)ストレッチに合わせて、マッサージをすることでふくらはぎのリンパの流れを促してほっそりふくらはぎを手に入れることができるのです!

ポイントは継続です。常に柔らかいふくらはぎを維持して脚力の健康と美脚を目指しましょう!

ふくらはぎ痩せマッサージ

用意:ホホバオイル・オリーブオイルなど自分のお肌にあうオイル
脚にオイルを適量伸ばして肌への抵抗をなくすために塗ります
■オイルでさすって脚を温めるイメージで■
手をグーにして指の第二関節を使います
ふくらはぎ
脛の骨に沿って足首から膝に向けてマッサージします方向が大切です
必ず下から上を心掛けてください360℃まんべんなく骨を摩るように
(力を入れすぎるとアザになってしまいますので気をつけてください)太もも手をグーにして指の第二関節を使います膝上からまんべんなく鼠径部に向かってマッサージします太ももは脂肪もつきやすい場所なので、脂肪部分を指でつまんでマッサージします
■温めて柔らかくするイメージで■最後に鼠径部のリンパ節を押して⇒手を放して を繰り返してリンパの流れを促します

水分補給を忘れずに

浮腫みを気にして水分補給を控えるなんてことしていませんか?浮腫みは血液の流れが悪くなることからおこりますので水分補給で血流をスムーズにする必要があります。
モデルさんは1日最低水を2L摂取します。老廃物を流すためにも必ず水分摂取しましょう。

ふくらはぎ 温める?冷やす?

「頭寒足熱・ずかんそくねつ」とは、頭を冷やし足を温めることによってよく眠ることができ、健康に良いとされます。

人の体を支える足裏の筋肉というのは、実はふくらはぎの筋肉の延長上にあります。ふくらはぎが冷えて固まると身体を支える機能そのものに影響が出てきます。ふくらはぎは、足同様温めること必要があります。
普段から、パンツ類を着用して必要以上に露出しない。スタイリングによっては難しいことですが、家にいる時は長いパンツ。など、ONとOFFを使い分けます。

スカートや冷房などで冷えた時、生理中などで入浴できない時は足湯で温めリセットしましょう。

足湯の方法

足湯とは、足のくるぶしより少し上までお湯に浸けて体を暖め、全身の血行を良くし、体内の老廃物代謝を高める健康法です。発汗作用により体内の不純物も排泄されます。

耐熱性のバケツ(足のくるぶしより上まで浸かる深さ)

湯温は40~45℃

15~20分程足を浸けます■冷めた時は足し湯をしながら■

3回足湯をすると、冬でも発汗します

白湯を少しずつすすりながら足湯をするとデトックス効果が期待できます

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